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みなさんこんにちは。高齢者生活支援センターの杉本です。
認知症カフェ『笑む・かふぇ』では、第1・3木曜日に講師を呼んで様々なミニ勉強会を行っております。(時にミニ勉強会ではなく、レクリエーションタイムになることもありますが・・・。)

さて、10月6日は、井原市芳井町にあります、重玄寺の藤井住職にお越しいただき、
「住職さんに聴く、老いの話」と題して講話していただきました。

「『敬老』という言葉は、老いを敬うと書きますが、どうして老いた人を敬わなければならないのでしょうか」と住職が質問されました。
「ただ、高齢者だから敬うもの、なのでしょうか」と。
う~ん、確かに。高齢者=敬うべき、というのが当たり前すぎて、いざどうしてか、と言われると返答できません。
「老いについて、中学生にも講話したことがあります」と住職が言われました。その中で、生徒さんに、「自分が生きていくうえで大切と思うもの」を答えてもらったそうです。中学生が思う、大切なもの、を私たちに考えるよう言われたので、皆さんで順番に答えていきました。
★家族 ★健康 ★お金 ★勉強(仕事) ★家(故郷) ★友達 etc・・・。
高齢者になると、家族や友人に先立たれたり、疎遠になったり・・・。
生徒さんにとって毎日の生活に欠かせないのが勉強ですが、我々大人で言うと仕事ですね。それも定年等で失い、高齢になると年金があるとはいえ仕事をしていないと現役時代のような経済力を失う人が大半です。
また、健康を害することが増え、入院したり施設に入ったりすることにより本来の住処である家であったり故郷から離れて生活せざるを得なくなったり・・・。
と、高齢者になると多くのものを失っていくのですね。そして、高齢者は多くのものを失っても、なお生き続けるのです。失った人にしか分からない悲しみや苦しみを抱きながら生き続ける、だから高齢者は敬うべきなのではないでしょうか、という住職のお話を聞き、私を含め参加者のみなさん「なるほど~」の声が出ました。

私自身15年以上高齢者福祉に携わってきました。「高齢者=敬うもの」というのを、「人生の先輩だから」くらいの返答しかできなかったかもしれませんが、住職の講話を聴き、改めて、また新たな気持ちで「高齢者=敬うもの」と思うことができました。

笑む・かふぇでは、色々な講師に来ていただいております。ぜひ、みなさん気軽にお越しください。