DSC_0175みなさんこんにちは、高齢者生活支援センターの杉本です。
毎月1回、第2火曜日に井原市芳井町にあります、社会福祉協議会芳井支所に会場をお借りして認知症カフェ『かたつむり』が開催されており、私も主催メンバーの1人として携わっております。
3月14日のカフェの様子を少々ご紹介。
『かたつむり』では毎回様々なゲストをお呼びしております。レクリエーション的な時もあれば、専門職による勉強会的な時もあります。
今回は、認知症の人と家族の会岡山県支部 代表をされているOさんに体験談を話していただきました。
“妻は「若年性認知症」あっという間の10年間! ~この先も「在宅介護」を続け共に生きていく~”と題してお話をいただきましたが、Oさんは井原市から遠く離れた赤磐市在住で、わざわざ足を運んでくださいました。
30名以上のカフェの参加者が、Oさんの話を聞かせていただきましたが、70歳代の男性が介護を続けてきたのはおそらく想像以上の大変さがあったと思われます。
今でこそ、男性も当たり前のように料理をされますが、Oさん世代の方は男性は仕事!という世代でなかなか台所に立つことも多くはなかったでしょう。
そのOさんが毎日歯の悪い奥さんのために、おかゆを炊きおかずをすり鉢ですりつぶしておられたというのを聞き、私はたった短期間の離乳食の期間でもイライラしたことがあったのに、と思い出し、Oさんの奥さんへの思いの深さに感銘を受けました。
また在宅介護を続けられ、奥さんの排尿・排便回数まできちんと記録され、利用しているデイサービスなどに情報共有をし、と、Oさんのされてきたことは専門職の私たちが業務として記録を取り、健康管理をすること以上のことをされてきた話を聞き、ただただ頭が下がりました。
認知症介護をされている当事者の話を聞く機会は決して多くはありません。参加者に感想を聞かせていただくと、「本当に良い話を聞かせていただいた」という声が多く聞かれました。
Oさんが奥様をショートステイに長期間お願いされない理由を話して下さいました。「長期間預けると、私のことを忘れられては困るから」と言われました。ショートステイを利用したら介護負担の軽減が図れ、ゆっくり休むこともできるのに、それよりも奥さんとの時間を優先されてきたOさん、ご夫婦の長年の生き様を見せていただけたように思います。

「認知症カフェ」は認知症予防のためであったり、閉じこもり予防であったりという観点もありますが、実体験を聞くことは本当にありがたい機会です。
みなさんに楽しいひと時、有意義なひと時を過ごしていただけるよう、今後も努力していきたいと思います。